頭蓋内電極留置下の長時間ビデオ脳波モニタリング(終夜脳波)

上記の各種検査を行っても発作焦点の同定が困難な場合には、頭蓋内電極留置術を行った上で、長時間ビデオ脳波モニタリング(終夜脳波)を行うことがあります。この検査は手術を伴う侵襲的な検査であるため、phase 1とかstep 1と呼ばれるこれまでの検査で焦点が絞り切れないものの、外科手術の可能性がある方についてのみ行われ、phase 2とかstep 2と呼ばれています。通常、数日から2週間程度の期間でこの検査は行われます。

頭蓋内電極は頭皮脳波に比べて感度が著しく高いため、より正確な発作焦点の同定が可能となります。頭皮電極は脳全体で20個程度の電極数ですが、頭蓋内電極は、脳の一部であるにもかかわらず、100個以上の電極を入れることもあります。

ICE finding

頭皮脳波装着下の24時間ビデオ脳波モニタリングでは、詳しく判定ができない側頭葉内側部や、半球間裂部、シルビウス裂、島皮質などの脳深部に留置することも可能です。また、頭皮脳波とくらべて非常に弱くて周波数の高い脳波信号もとらえるので、てんかんの原因となる領域にしばしば発生する高周波解析(HFOs)の解析も行いやすくなります。

近年、欧米では、脳自体に細い電極を挿すタイプの頭蓋内電極を用いる場合が多くなってきています。日本においても今後、増えてくると考えられます。