CTおよびMRI

CTは放射線を使用した検査で、石灰化病変や出血病変の同定を目的とし、MRIは磁場を使用した検査で、微細な脳の構造異常の同定を目的とします。両者は相補的な役割を果たすため両方の検査が必要となることが一般的です。

てんかんの検査としての役割としては、内側側頭葉てんかんの原因として多い海馬硬化症の有無を検査したり、新皮質てんかんの原因として多い皮質形成異常や脳腫瘍の有無や質的診断を行ったりすることとなります。

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この写真では右側頭葉の内側部(海馬の部分)が、左側に比べて小さく見えています。また、色合いも少し白っぽく写っています。典型的な海馬硬化症の所見となり、右側頭葉内側のてんかん焦点が疑われます。

とても重要なことは、「MRIやCTで異常がないからといって、てんかんではないとは診断できない。」また、「MRIで異常があるからといって、てんかんとは診断できない。」ということです。てんかんの診断は、多くの情報を統合して行うものだからです。