てんかん手術の為の検査は、① てんかんの焦点(原因)がどこにあるか ? ② どこまで 手術で摘出すれば 治るのか ? ③ どこを とってはいけないのか ? を目的として行います。以下に各種検査の説明を加えます。
① てんかんの焦点(原因)がどこにあるか ?
単一の検査では、てんかんの焦点(てんかんの原因、図の赤い部分)を正確に同定するのは困難です。様々な検査手法を用いながら、てんかんの焦点が脳のどの部分に局在するかを調べていきます。
② どこまで 手術で摘出すれば 治るのか ?
てんかんの焦点は焦点の境界が明らかな場合もありますが、図のように周辺の部位に境界がわかりにくく不明瞭に広がっている場合もあります。このような場合に、どこまで(図の赤線、黄線、緑線)摘出すれば、発作が消失するのかを検査していきます。
③ どこを とってはいけないのか ?
脳には、摘出を行うと後遺症が必発する部位があります。具体的には、手足の運動をつかさどる運動野、視野をつかさどる視覚野、言語の理解や表出にかかわる言語野、短期記憶をつかさどる海馬などが挙げられます。手術の前に、摘出予定範囲がこれらの重要な部位と重複していないかどうかを検査していきます。
次に、検査について具体的に解説を加えます。
- 頭皮脳波
- CTおよびMRI
- PET(糖代謝)
- SPECT(脳血流、ベンゾダイン)
- MEG (脳磁図)
- 神経心理検査
- 機能的MRI (functional MRI, fMRI)
- Wada test (ワダテスト)
- 頭皮脳波装着下の24時間ビデオ脳波モニタリング(終夜脳波)
- 頭蓋内電極留置下の24時間ビデオ脳波モニタリング(終夜脳波)