脳磁図(MEG)

脳磁図(MEG、エムイージー)とは、てんかん発作間欠期の異常な脳活動によって出現する微細な磁場変化を脳表から捉える検査です。

まずは、図に示すような検査台に仰向けに横になってもらい、デュアーと呼ばれる円筒形の穴の中に頭を入れていただきます。検査は30分程度の時間を要しますが、基本的には安静に目を閉じておいてもらうのみで脳磁場の計測ができます。解析には、磁場の浮き沈みの情報から神経細胞によって引き起こされた電流の大きさ、向きを推定する手法(ダイポール推定法)が主に用いられます。下図の症例では、左側頭部に磁場の浮き沈みがみられ、後ろ向きの電流源が推定されました。

MEG

脳磁図は脳波と同じで患者様にとっては完全な非侵襲(体への負担がない)検査となります。脳波よりも優れた空間分解能(正確な部位を同定する能力)を持つため、他の検査では同定しえなかった発作焦点が明らかになることもあります。しかし、保険適応、初期設備費、維持費、解析への労力などの問題で、実臨床で使われている脳磁図(MEG)は少なく、限られた施設のみで行われている検査といえます。

MEG-1

まだ研究段階ですが、体への負担が強いワダテストを避ける為に、MEGで言語優位半球を同定する事も試みられています。上図では、言語課題を患者様に行ってもらい、その間に生じた脳波の周波数帯域の変化を青に色付けして表示しています。左前頭葉に生じた反応は言語課題に関連した脳の反応と考えられ、左側が言語優位半球であることが示唆されました。

MEGを外来で受けられる患者様へのご案内(.pdf)

MEGを受けられる患者様へのご案内.