てんかん外科手術 前後の流れ

それそれの施設で規定や考え方が違いますので確認が必要です。参考程度にお読みください。

①入院前準備 予防接種については、生ワクチンは手術前3週間あけ、不活化ワクチンは2日あけることとしております。血をサラサラにする薬(アスピリン、クロピドグレル、シロスタゾールなど)を飲んでいる方は、手術前1-2週間の休薬が必要となります。抗てんかん薬については、通常通りの内服となります。手術前に髪を丸坊主にする必要はありません。体調に気をつけて入院日を迎えてください。

②入院 手術の数日前に入院となります。必要な手術前検査がある場合にはもう少し前から入院となる場合もあります。外来診察の際に行っていない方については、入院後に手術の最終説明とともに、手術同意書、輸血同意書、特定生物由来製品同意書、その他の同意書をいただきます。お聞きになりたいことがあれば、この際にお申し出ください。

③手術日 てんかんの手術は多くの場合、午前から始まり夕方までかかります。ただ、迷走神経刺激術などは数時間で終わる手術ですので、午後から開始する場合もあります。全身麻酔がかかってから必要な範囲のみの頭髪を切ります。手術は複数の医師が関わります。ご家族の方には手術が終わるまで院内で待機していただくことになります。多くの場合は手術後は集中治療室で全身管理を行います。集中治療室での長時間の付き添いはできませんので、帰宅いただくことになります。ただ、特に手術当日は病状の変化がある可能性がありますので、何かあれば来院いただける体制は整えておいてください。

④手術後 通常の場合は翌日に一般病棟に移動します。皮下の血液を外に出すドレーンというチューブが入っている場合は、翌日から翌々日に抜去します。食事、歩行、トイレなどは可能であれば早いうちから行っていただきます。抗てんかん薬も飲めることができれば早期から内服していただきます。傷周囲の腫れや痛みは手術直後より数日後の方が目立つ場合がありますが通常の場合、1週間程度で収まってきます。痛み、嘔気などはなるべくコントロールしますのでお伝え下さい。手術後の検査に問題がなく、傷の治癒過程が順調であれば1-2週間で退院となります。迷走神経刺激術のように短時間で終わる手術の場合は、数日で退院となる場合もあります。麻痺や失語など、手術後に日常生活に困難が生じている場合には、リハビリテーションを行っていきます。リハビリテーションが長期になりそうな場合には、リハビリテーション目的の転院をしていただくこともあります。

⑤手術後の外来診察 発作の有無、傷口の問題などとともに、手術前と何か変化したことがあればお伝え下さい。基本的には、手術前の抗てんかん薬はしばらく継続しながら慎重に外来での経過観察を行っていきます。

⑥定期的な術後検査 血液検査、脳波検査、MRI検査、神経心理検査を必要に応じて行っていきます。ビデオ脳波を行う必要がある場合には入院して検査を行います。